■ 練習 ■


「宍戸さん、いいですか?」

真剣な面持ちで、鳳が宍戸に問う。
気圧されたように宍戸が答える。

「お、おう」
「じゃあ、いきますよ。良く見てて下さいね」


タッタ、タッタ、タッタ、タッタ・・・・


軽やかなツーステップを踏んで、鳳は宍戸の前を何度か往復した。
少し離れた場所で見ていた宍戸のもとへ戻る。

「はい! じゃあ、次は宍戸さんの番です」
「あぁ・・・・」


ゴクリと喉を鳴らし、宍戸も鳳のようにツーステップを踏もうと、足を上げる・・・・


・・・・が、それはツーステップと呼ぶには程遠く、あまりにも不自然でぎこちない動きだった。


「だぁぁぁ! こんなんできなくたって、生きてくのに問題ねぇよ!」

思い通りに出来ないイライラから、宍戸が咆える。

「そんなぁ。もうちょっと、頑張りましょうよ。ねっ! 何なら、俺が手取り、足取り、腰と    


ゴンっ。


最後まで言い終わらないうちに、宍戸の拳が鳳の後頭部に振り下ろされた。

「腰を取る必要はねぇだろ」
「そうですけどー・・・・まぁ、そこは恋人の役得ってことで」
「こ、恋人?」
「え? 違うんですか?」
「ち、違わねぇけど・・・・」
「宍戸さん、顔真っ赤ですよ」
「うるせぇ! さっさと練習再開するぞ」
「はーい」





宍戸亮14歳。
現在、後輩兼恋人の鳳長太郎とスキップの練習中。










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ミュのカテコでチョタだけがスキップをしているのを見て、
宍戸さんも一緒にすれば良いのにと思ってました。
…で、相方と実は宍戸さんは「やらない」じゃなくて、「できない」んじゃないか?
と、いう妄想話を繰り広げ、それから生まれた話です(笑)
三次元の二人に影響され過ぎです;
あ、でもダテカマじゃないっすよ。
あくまで鳳宍。

(2005.8.30)